◆氏名や住所だけが個人情報ではない

 個人情報保護を考える上で、最初に理解しておかなければならないのは、「個人情報とはどのような情報を指すのか」ということです。個人情報とは、氏名・住所・電話番号・生年月日などを含む、その情報からひとりの人(個人)を特定することができる情報のことです。氏名や住所などのほかに、以下のような内容を含む情報を個人情報といいます。
・ 社員番号やキャッシュカードのカード番号のように個人または個人の所有物に対して割り振られた番号
・ 出社時間や退社時間、業務経歴といった個人の行動の記録
・ 個人が写っている写真や個人の声が録音されているカセットテープといった個人自身または個人の一部についての記録
・ 健康診断の結果や病院の通院履歴といった個人の健康に関わる記録
・ 就職活動の際に会社に提出する学校の成績証明書や会社内での勤務態度や業務に対する評価といった個人の評価に関わる記録
 ひとつの情報だけで個人を特定できなくても、その情報とその他の情報をあわせることで個人を特定することが可能な場合も、個人情報として考える必要があることがポイントです。
たとえば、氏名が記載されておらず、社員番号と出社時間、退社時間が記載されたタイムカードだけでは個人を特定することは困難です。しかし、社員名簿などほかの情報とあわせて参照することで個人を特定することが可能となります。
 このように、個人情報を示す範囲は広く捉える必要があります。
 ただし、アンケートの回答結果は、個人の氏名や住所などが記載されている場合は、個人情報になりますが、個人を特定できないようにその回答結果を集計した統計データは、個人情報には該当しません。

弊社刊「図解でわかる100シリーズ」より

株式会社アイ・イーシー 東京都千代田区飯田橋4-4-15
All Rights Reserved by IEC
本サイトのコンテンツの無断転載を禁止します