急成長する4つの新興国を知る
次の“世界”はここだ!
22012年度の新コースとして立ち上げられた『BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)がわかる教科書』。
本コースのメインテーマはもちろんBRICsなのですが、「そもそもBRICsってなに?」という人も多いはず。
「なんとなく耳にしたことはあるけど詳しくはわからない」という人が一般的には多いのが事実です。
BRICsの概要を簡単に説明します。
BRICsってなに?

  BRICs(ブリックス)とは、ブラジル、ロシア、インド、中国という、経済成長著しい4つの国(最近ではここに南アフリカが加わり5か国とされることも多い)のことです。先進国が軒並み低成長に悩まされている中、高い経済成長率で推移しているこれらの新興国が今後の世界経済のカギを握るといわれ、注目されています。
 以下は、BRICsと先進国(日本、アメリカ、ドイツ)の経済成長率を表したグラフです。リーマンショックの2009年はさすがにBRICsにも少なからず影響はありましたが、基本的には先進国に比べて高い水準の経済成長率で推移していることがわかります。

なぜBRICsは成長してるの?
 
  そもそも、なぜBRICsの国々は急成長しているのでしょうか。ここではBRICsの共通点をいくつか挙げてみましょう。
@国土が広大で、天然資源が豊富である
A人口が多く、若い労働力が豊富にある
B労働力単価が安く、低コストで製品を生産できる
C人口が多いので、市場としても有望である
 いずれも経済発展につながる要素であり、こういった背景のなか、著しい経済発展を遂げているといえます。
 さらにもう少し見ていくと、BRICsの4か国は、その経済成長の仕方に大きく分けて2つのタイプがあります。
 一つは、上記の共通点の中のBに挙げられている、安い労働力を武器にしたスタイルの国です。BRICsでいえば、中国とインドが該当します。
 もう一つは、上記の@に挙げられている、豊富な天然資源の輸出が高度成長を支えているというスタイルです。ブラジルとロシアはこのタイプです。近年は天然資源の市場価格が右肩上がりで高騰しており、天然資源を持つというバックボーンはとても大きなものがあります。
 いずれにせよ、今後BRICsの国々が世界経済の中で大きな存在感を示すことは、間違いありません。
 右に、BRICs4か国の特徴を簡単にまとめてみましたので、ご覧ください。
世界第1位の国土面積と第9位の人口を持ち、東ヨーロッパに分類される国家。最も鉱物資源が豊富な国の一つで、天然ガスと原油の生産高は、世界第2位(統計年度によっては第1位)である。ソ連時代の遺産である技術力により宇宙産業や軍需産業は高い水準にあり、IT産業もロシア経済で最も活気のある産業の一つである。他のBRICs諸国と比べて人口増加率が低いのが懸念材料で、例えば、ロシアでは出生率(合計特殊出生率=一人の女性が生む子供の数)が1.3人と、日本と並び世界最低の水準であるなど、先進国に近い課題も抱えている。
世界第7位の国土面積と世界第2位の人口を持つ国家。12億人を超える国民は、多様な民族、言語、宗教によって構成されており、州境を越えるとまったく違う言語が話され、主な言語だけで15を超える。ヒンドゥー教徒が最も多く、ヒンドゥー教にまつわる身分制度であるカースト制度の影響は今でも残っており、複雑な身分制社会を形成している。著しい経済成長をしてはいるものの貧困層が多く、貧富の格差は大きな課題となっている。文化面に目を向けると、インドは年間映画制作本数も映画館観客総数も世界一多い映画大国である。
世界第1位の人口と世界第3位の国土面積を有する。北京を首都とするアジアの国家。人口は約13億人余り。人口の94%を占める漢族と55の少数民族からなる多民族国家である。現在、世界でもっとも経済成長著しい国と言え、2010年にはGDPでついに日本を上回り、世界第2位の経済大国となった。中国経済の最大の武器は、安い労働力を生かして安価に製品を製造できること。しかし徐々に中国国内の賃金も上昇しつつあり、ベトナムなど東南アジアを生産拠点を移す産業も増えてきている。
南アメリカ大陸最大の面積、人口(ともに世界第5位)を擁する国家。天然資源が豊富で、原油消費量はほぼ全て自給できており、鉄鉱石の輸出量も世界第1位。GDPに占める個人消費の割合が6割と高いのもブラジル経済の特長で、先進国並みに個人消費が旺盛である。また、2014年にはサッカーワールドカップ、2016年にはリオデジャネイロで夏期五輪の開催が予定されており。大きな盛り上がりとともに経済の後押しもすることが見込まれている。それに合わせた国内のインフラ整備も急ピッチで進められている。
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