各界の一言居士のみなさんに、日本を、企業を、そして我々ビジネスマンを“よく”するために、
“最近アタマにきていること”を、リレーで綴っていただくコーナーです。
第28回のゲストは
小松易(こまつやすし)
日本初のかたづけ士。http://www.sukkirilab.com/index.html
1969年生まれ。高崎経済大学在学中に交換留学で行ったアイルランドで「トランク1つで生活できる!」ことに衝撃を受けて帰国。以来、モノとヒトの関係を探求し始める。
2005年9月、片付けられない人、片付がちょっと苦手な人、自分の部屋をかたづけたら人生スッキリするって分かっているのになかなか始められない人向けに個人カウンセリング&コーチングを”かたづけコンサルティング「スッキリ・ラボ」”として開業。現在は、個人・企業向けに「かたづけ 」のコンサルティング・セミナー活動中心に、これまでに延べ2000人以上に「かたづけ」コンサルティング 行う。2009年には「ガイアの夜明け」、NHK「ドキュメント20min」などテレビに多数出演。2009年12月著書「たった1分で人生が変わる かたづけの習慣」(中経出版)は24万部を超えるベストセラーとなり話題を呼ぶ。最新著書は『超・ オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』(マガジンハウス)。「かたづけ士」を単なる「仕事」ではなく、自分自身の「生きかた」として発展途上の真っ只中にいる。
 私を知る人は私の性格をどちらかというと「温厚」「気が長そう」と思っている方が多いのだが、実際のところは結構「短気」なところがある。たとえば、移動の電車や、打合せ中の喫茶店で、周りの人のマナーの悪さにイライラすることがほんとうに良くある。電車では若い人の音楽の大音量、いわゆる「シャカシャカ」音に腹を立て、喫茶店では見ず知らずのお母さんに対して、店内で騒ぐ子供を放任するしつけ方に怒りを募らせたりする。

 ところが、さらにたちが悪いことにそのイライラや怒りを実は表に出さない。
溜まった怒りの多くはどこに行くのか?その矛先は、無防備な妻に向けられてしまう。
しかもその怒りはかなり突然だ。私の半ば理不尽ともいえる突然の怒りを受けるのだから妻としても堪ったものではないだろう。

 妻に対して、つい怒ってしまった後、心の中で「悪いことしたなぁー」と後悔しつつもそれを口に出せず引っ込みがつかなくなった自分自身にまた腹を立てる。こうして私の怒りは増幅し、収拾がつかなくなってしまうのである。

 ところで、あなたは感情をコントロールするのが得意だろうか?会社で溜め込んだ怒りの感情を会社で表現できず、つい家に帰って親や夫(妻)にあったり、子どもにあたったり、ペットに当たったり、最後は物に当たったりしてはいないだろうか?
 
 ベストセラーになった「怒らないこと」(アルボムッレ スマナサーラ著)は、徹底して、ブッダの教えを解説し、真っ向から「怒り」の感情を否定している。そして、「怒り」という感情がいかにバカらしいかを教えてくれる。

 この良書に学んで感情をコントロールできるようになろうと思っているのだが、
それでも怒りが出てきたら、せっかくなので上手な怒りの使い道を考えておくという手もあるかもしれない。その一つは、ぶつける相手を探しておくことである。そしてぶつける相手は人ではなく、物である。物の中でも「あなたが迷ってどうしても捨てられない物」なのである。
 
常日頃、かたづけ士として、整理(物を減らす)に大切なことは、「勇気」と「決断」と言っている。だが、セミナー会場でうなずく参加者も多くは実行できずに困っている。
ところが、怒りというのはその勇気を出すきっかけになり得ると思う。ぜひ怒りが出てきたら、それを勇気と決断のパワーに変換して物を捨てるエネルギーにして欲しいのである。
 そのためにはぜひ、日ごろから片づけて「なかなか勇気を持って決断できない迷い物BOX」に書類や書籍を分けておくと効果的だろう。


back next
東京都千代田区飯田橋4-4-15 Tel:03-3263-4474  Copyright (C) 2012 IEC. All Rights Reserved