各界の一言居士のみなさんに、日本を、企業を、そして我々ビジネスマンを“よく”するために、
“最近アタマにきていること”を、リレーで綴っていただくコーナーです。
第35回のゲストは、
鈴木弘治さん
株式会社 島屋 代表取締役社長
日本百貨店協会 会長

1968年  慶應義塾大学経済学部卒業
       株式会社島屋入社
1995年5月  棋島屋取締役 
2003年3月   〃  代表取締役社長
2008年5月  日本百貨店協会 会長
現在の日本の政治には中東の政情不安による不安定な原油供給の問題や、沖縄をはじめとした外交問題など難問が山積しています。どの産業、どの企業も収益改善のために最大限の努力をしていますが、国の大きな政策課題が停滞することは経済全体の後退を招き、企業の収益改善が遅れることになります。これからの景気を左右する重要な分岐点に立っている今、与野党を問わず、もう少し国家の運営を堅実に進めていただくことを期待しています。

しかしながら最近の政治でのやりとりを見ていますと、重要な緊急課題よりも、現象としてのミスを取り上げ、それを極大化して追求することに終始し、本当に大事なことが先送りされている印象を受けています。社会保障などの問題により、国民全体が将来に対する不安を感じています。こうした不安が景気に少なからず影響していることを憂慮しなければなりません。

これと同様に、マスコミの報道姿勢にも疑念を感じています。本質的問題を捉えることなく、表面的な出来事ばかりをその時々で報道することに終始しており、国全体の問題解決に対する阻害要因となっています。内閣の支持率の変化に政治家は一喜一憂することなく、重要な課題解決に落ち着いて取り組んでほしいと切に願います。

ところで3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生しました。国内観測史上最大の大震災となり、震災直後からさまざまな混乱が起こっています。地震当日、交通機関がストップし、多くの帰宅難民が発生しました。交通の安全性を確保しつつ、他に何か打つべき手だてがあったのではないかと思います。被災された方々のご無事と一刻も早い復興を強く願っております。


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