各界の一言居士のみなさんに、日本を、企業を、そして我々ビジネスマンを“よく”するために、
“最近アタマにきていること”を、リレーで綴っていただくコーナーです。
第38回のゲストは、藤巻幸大(ふじまき ゆきお)さん
株式会社シカタ  代表取締役プロデューサー
株式会社テトラスター 代表取締役社長

1960年東京生まれ。
上智大学経済学部卒業、株式会社伊勢丹入社。
伊勢丹にて「解放区」「リ・スタイル」「BPQC」など数々の売り場をプロデュース、バーニーズでのバイヤーも経験。
伊勢丹退社後、有名企業役員を経て2003年福助株式会社代表取締役社長、2005年株式会社セブン&アイ生活デザイン研究所代表取締役、株式会社イトーヨーカ堂取締役執行役員衣料事業部長を歴任。
現在では、「日本」にこだわったブランド作りに全国を行脚する一方、株式会社シカタ代表取締役、株式会社テトラスター代表取締役として実業家として活躍。
 私が単純に今の世の中で疑問に思っていることは、大きく社会のあり方が変貌し、時代の変化が起きているのに、相変わらず企業(特に大企業)・行政・政治どの分野をとっても女性の活躍する場が少ないということだ。女性が子育てをしながらも働ける環境がこの国には整っていないことを思わずにはいられない。

 女性の特性は、私の解釈では(勿論例外もあるが)感性が男性と比べて格段に豊かであるということだ。
 また、特に企業の中で活躍している人、或いは自ら起業している女性経営者等は、何かに臆することなく意見をズバッと言い、市場や顧客の目線で正確に判断出来るということも言えるだろう。

 ここのところ、大企業等に講演を依頼いただくことが多いが、聞いてくれている方々はほぼ男性であることが多い。そして、その場合は、感性・感情の起伏が弱く感じられ反応が足りないし、質問をしてくる方もものすごく少ない。
 時に女性を相手にしていると反応がとても良く質問も多いし、なんとなくザワザワしてくれてライブ感も出て話すほうとしてもとても楽しい。

 話は少し逸れるが、最近地方にもよく顔を出すようにしている。街作りや地域ブランドをどう作り上げていくか、といった命題に対し意見を申し上げているが、女性がその場に主役として出てくる機会もとにかく少ない。時々若い女性にも会ったりはするが、ほとんどが事務方・裏方であるのだ。どうして若い女性の感性を活かせないのであろうか?甚だ疑問が残る。

 日本にはすばらしい技術・伝統・美が数多くあったはず。最近の政治の停滞から来る国力・発信力の衰え、若い世代の活躍する場が少ないこと、理由を考えれば諸々あるだろうが、私はまず日本の根本を見直す一つの考え方として、もっと女性の活躍する場を作り上げること、女性が働きやすい環境を作ること、子育てをしながら働ける環境を作ることを、もっと政治・企業のトップにはこの事を意識するよう期待したいし、機会があれば訴えていきたい。

 そして、70才(例外もあるが)を超えて未だ現役を強く主張している実業界の老害になってしまうかもしれない長老的存在は、早く現役から引退することを考えるべきではないだろうか?

 社会を変える、意識の根本を変えることで構造改革が起きることが今とても必要であり、日本のセンスとは何なのかを今一度振り返りつつ、前進する長期的視点が必要であろう。


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