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創考喜楽

第12回 “コミュニケーションの7つの壁”

COLUMN

1年にわたって、コミュニケーションの問題を解決する方法を、いろいろな角度から書いてきました。極論すると、ほとんどのケースはこう言い換えることができると思います。“自分と違う意見をもつ人と分かり合える方法”。職場に嫌なやつがいるから仕事が面白くない、上司が尊敬できないからやる気が起きない、チーム内で自分の意見がほとんど取り上げられない、部下の能力不足のせいで忙しすぎる、などなど。思い当たることがあるでしょう。
これこそが、コミュニケーションをギクシャクさせている元凶。じぶんは、じぶんはというジコチューのなせるわざなのです。

 

頭では、みんな違うことはわかっていても、いざ、コミュニケーションになるとじぶんの尺度で対応してしまう。相手は、どういう基準で考えているのだろうとは思わない、いやとっさに思えないのです。だから反論するか、口をつぐんでしまう。これでは理解どころか、溝は深まるばかりです。
この解決法は誰でも知っていること。わからなかったら聞く、これしかありません。
「いまのことについてもっと詳しく知りたいのですが、教えていただけますか?」
「私の理解ではこうですが、間違いはありませんか?」

 

相手によって口調は違うでしょうが、とにかく質問を重ねていく。そのところどころで、
「なるほど」「そうなんですね」「○○○ですか」のように、相槌を打つ、相手の重要と思える言葉を鸚鵡返しにする。こうすることによって、相手はじぶんの話をよく聞いてくれていると思い、予定にないことまで話してくれたりします。
難しい相手ほど、相手のことを聞くスタンスに立つ。これ以上の極意はありません。これを続けていると、話している間、客観的にその場を俯瞰できるようになる、という副産物も手に入れられます。これができれば、ジコチューとはおさらばです。
こんな簡単なことがなぜできないのか?恥をかきたくないから、じぶんの方が上だと思っているから、主張が下手だと思っているから、などそれぞれの理由があるでしょう。でも、そんなことでコミュニケーションがうまくいかないのは馬鹿馬鹿しいかぎりです。
それでも、できないかも?という方には、子どもインタビューがおすすめ。子どもと大人は価値観、固定観念、知識、情報すべてが違う相手です。でも、子どもなので臆することもないでしょう。質問はなんでもOKです。

 

「神様ってどこにいるのかなあ?」
「先生のことは好きか?」
「いままで一番おいしかった食べ物は何かな?」

 

こんなことから始めます。子どもインタビューで、大変なのは大人の子どもに対する思い込みが邪魔をすること。子どもだから面白いこと言うだろうなとか、子どもだから言ってもわからないだろうと、子どもを甘く見ないこと。また、大人の都合で誘導しないこと。大人が知っていることをわざと尋ねたりしないこと。それから、子どもだからといって、ついついまとめようとしないこと。とにかく、子どもが一生懸命だったら、こっちも全力で応えていく。これは、結構大変です。いかに大人が大人の枠にはまっているかが実感できるはずです。
これができるようになったら、相手が誰でもどんと来いです。懐が深くなっているのが感じられるはずです。

 

最後に究極のコミュニケーション法をご紹介しましたが、コミュニケーションの壁になっているのは、

 

1.勝手な思い込み
2.人の話を聞かない
3.明確な返事をしない
4.相手を褒めない
5.小さな声でしか話さない
6.失敗したくない
7.じぶんのことしか考えない

 

この7つの壁があなたのコミュニケーションを妨げています。これをハンマーでぶち壊す。それができなければ、コミュニケーションによって殺されてしまいます。コミュニケーションは生きるための大事な道具。これを使いこなすことが、仕事の楽しさ、毎日の楽しさを生み出します。
がんばってください。

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