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創考喜楽

右脳を使う図解はアイデア出しに適している

KNOW-HOW

視覚化すると複雑な内容を効率的に伝えられる

私たちが言葉を使うのは、情報を伝達する場合に非常に効率性が高いからです。メモに「リンゴ」と書いて誰かに渡せば、説明なしに「リンゴ」という情報を伝えることができます。また、今日、帰りにリンゴを買って帰ろうと思って、忘れないように「リンゴ」とメモしたとします。帰り道にポケットの中のメモに気づいてさっと取り出して見たら「あっ、リンゴを買っていかなきゃ」と思い出すことができます。

 

では、これを絵にしたらどうでしょう。メモにささっと「リンゴの絵」を書きます。誰かに渡したら、「リンゴ?」「ナシ?」「ボール?」ととられるかもしれません。つまり、抽象化された言葉の方が効率性が高いのです。

 

しかし、「皿の上に載っている真ん中をひと口かじられた跡のあるリンゴ」という文章になるとどうでしょう。絵の巧劣にもよりますが、メモに書かれた言葉を読んで理解するスピードよりも、絵を見て理解できるスピードの方が早いのではないでしょうか。ひとこと「リンゴ」(またはappleなど)と単語を書き添えてあれば完璧です。

 

ひらたくいえば、内容が単純であれば言葉や文章は伝達・記録の効率性が高いのですが、複雑になってくると、視覚化されたものの方が効率的(直感的に把握・理解しやすい)になるのです。

 

 

視覚化は脳のはたらきを活性化させる

 

人間が情報を処理するには、まず全体をイメージでとらえ、その後に細部を論理的に理解します。イメージを記録・伝達するには、視覚化されたもの(絵や図解)などが適しているのです。

 

人間の脳は右側の右脳と左側の左脳で異なる機能を担っているといわれます。いわゆる右脳・左脳論です。そこでは一般に、右脳は図形や色、音などを認識して映像・音声的イメージや芸術的創造を扱い、左脳は言語や文字を認識して論理的・分析思考を扱うとされます。右脳と左脳のどちらを優位に、活発に働かせているかによって認識や思考のタイプが分かれるという説もあります。

 

科学的にはまだ検証されていない部分も多いようですが、ふだん言語を使って論理的思考を行っているなかに、ビジュアル的な要素を入れてみる、または言葉ではなくて絵で表現してみることによって、脳が大きな刺激を受けて発想を活性化させることがあります。

 

「ひと口かじられたリンゴ」の例でいえば、絵の方がそこからイメージを喚起されやすいでしょう。また、メモする側にしても、絵を描きながら刺激される部分があるはずです。上からシロップを垂らしてみたくなったりするかもしれません。アイデアを刺激したいのなら、絵や図解を使ってメモすることを試してみましょう。

 

図解すると事柄の関係性がよくわかる

 

図解のメリットは、簡潔でわかりやすいということです。図解を国語辞典風に解釈すると「図を使って説明すること」。図とは「物の形や状態を描いたもの、点・線・面が集まってひとつの形を構成しているもの」ということになります。

 

もちろん、すべてを絵で表現しなければいけないということはありません。キーワードなどの単語を四角や楕円、丸などの図形で囲んで、それぞれを線で結んだり、矢印で結んだり、適切な位置に配置したりすることも図解です。あるいは、大きな図形や絵を描き、その部分から線を引いて言葉を書き込んだりすることも図解です。

 

つまり、たとえばひとつの文章があったとして、その内容を単語と図形や線・矢印などで表現するわけです。複雑な内容の文章が図解化するとわかりやすくなるのは、その複雑な事柄の関係性が一目で理解できるようになるからです。

 

企画書や説明書、作業書などのさまざまな文書、またビジネス書籍などには、多くの図解が掲載され、読む人の理解を助け、記憶に残るようになっていますが、その多くは、いくつかのキーワードを線で結んだり、矢印で方向性をつけたり、線で囲んでグルーピングすることによって、キーワードどうしの関係が一目瞭然になるようにしています。

 

さまざまなチャートを活用する

 

ものごとや作業の流れを説明するならフローチャート。並行して進行するタスクを把握するならガントチャート。グループやカテゴリーを分けるなら円交差。構造や構成を表すなら拡散チャート。階層構造を表すなら三角図。ものごとをわかりやすく図解するチャートには、さまざまな種類があります。

 

こうした内容を文章で説明しようとすれば、かなり複雑なものになってしまうでしょう。そんな複雑な内容も、図解化すればその本質を直感的に一目で理解できるし、詳しく見ていけば記憶にも残りやすくなるわけです。

 

よく、わかりやすい企画書を書けといわれます。文章でしっかりと訴求することも大事ですが、すぐに相手に理解してもらうためには、まず箇条書きにすること、そして、図解化することも必要になってきます。

 

といっても、わかりやすい企画書を書くことは、それほど簡単なことではありません。図解化するためには、伝えたい情報を整理するスキル、情報から要点を抽出するスキル、図形を使って要点を視覚化するスキルなどが要求されるからです。

 

しかし、簡単なメモで図解化することを始めれば、そういったスキルも、少しずつ身についていくでしょう。

 

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