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創考喜楽

08:アイデアを生み出すための落書き式メモ術

KNOW-HOW

自由連想を図解化して発想する

 

図解とキーワードを駆使してアイデアを生み出すためには、B4判やA3判など、大きめのメモ用紙を用意しましょう。その紙の中心に、展開したいベースとなるキーワードを書きます。いわばテーマであり、タイトルです。文章ではなくひとつの単語であることがポイントです。

 

たとえば「リンゴ」と書きます。ここから放射状に線を伸ばして、連想されるキーワードを書いていきます。たとえば「赤い」「甘い」「芯」「ジュース」「アップルレコード」など、思いつくまま時計回りに書いていきます。思いつくものが出尽くしたら、次にこのキーワードから線を伸ばして、さらにそれぞれから連想されるキーワードを書いていきます。「赤い」なら、「鳥居」「日の丸」「鬼」など。

 

自由な連想を1枚の紙の上に展開することで、頭の中の思考を図解化していくわけです。こうした方法のひとつとして、「マインドマップ」という手法が人気を集めています。マインドマップにはさらに細かなルールもあるのですが、基本的には上に挙げたような手順で自由発想を図解展開し、解決法やアイデアを導き出そうというものです。

 

コツとしては、「連想するまま言葉を自由に書き出す」「言葉はできるだけ短く書く」「アイデアに詰まったら全体を見渡して考える」「ときどき中心のキーワードを見直してそこから離れすぎないようにする」「線の太さや形、記号、色などをできるだけ工夫して、重要なポイントが目立つようにする」「イラストを描き加えるなどしてイメージを刺激するものにする」といったことがあげられます。

 

 

キーワードをチェックして発想する

 

自由に連想していくだけではどうしても限界がある場合、何らかの枠組みの中で考えるとアイデアが得られることがあります。こうした強制発想法の代表的なものに「オズボーンのチェックリスト法」というものがあります。チェックポイントは、以下の9つです。

 

 

「他の用途」=今のままで新しい使い道はないか、少し変えて他の使い道はないか
「応用」=これに似たものはないか、他に似たアイデアはないか
「拡大」=何か加えたらどうか、もっと回数を多くしたらどうか
「縮小」=分割したらどうか、やめたらどうか
「変更」=形式を変えたらどうか、意味を変えたらどうか
「代用」=他の材料にしたらどうか、他の人にしたらどうか
「入れ替え」=他の順序にしたらどうか、原因と結果を入れ換えたらどうか
「逆転」=役割を逆にしたらどうか、立場を変えたらどうか
「結合」=目的を結合したらどうか、アイデアを結合したらどうか

 

 

 

発想がつまった時に、キーワードをチェックしてみましょう。

 

下手なイラストでもどんどん描いてみる

 

図解の項目に「ユーザー」があったとします。ユーザーと言葉で書けばそれでわかるわけですが、これを象徴化したイラストにすることによって、よりイメージとして生々しくとらえられるようになります。

 

たとえば、「○○○というコンセプトがユーザーに突き刺さるはず!」といったような表現では、左側に「○○○」、そこから矢印を引いて、右側に人の形をした絵を何人か描きます。人の形は、頭を丸、胴体を三角、三角の両側から2本の線を出せばそれが腕になります。さらに丸の中にふたつの点で目。口の形を楕円にすれば驚いている感じになります。頭の上に放射状に3本くらい線を書いても驚きの表現になります。つまり、ごく簡単な図形と線の組み合わせでも、表現力豊かなイラストになるわけです。単に「ユーザー」もしくは「驚くユーザー」と言葉で書かれているのと比較してみてください。

 

同じように、企業を表すならビルの形を描いてみる。単なる長方形ではビルに見えませんから、窓の四角をいくつか長方形の中に並べ、入口らしきものを下のほうに加えます。看板をつけるとなおわかりやすくなります。

 

基本は丸と三角と四角と線。その組み合わせだけでも表現力豊かなイラストが描けるのです。

 

大切なのは、基本の形の組み合わせの上に、ワンポイントで動きを出せる何かを付け加えることです。目や口の点や線の大きさ・角度、また頭の上に描き加える線や「!」「?」などで人の表情が表せることを覚えておいて、どんどん活用してみましょう。

 

これを応用すれば、さまざまな表現が可能になります。それもいくつかパターンを覚えるだけで、それほど難しいことではありません。たとえば、数本の斜め線を描き加えることによって立体感も表現できます。ちょっとしたことで、さまざまな違いを表すことができるのです。イラストのうまい人というのは、要するにこうした基本を知っていて、バランスよく描けるということなのです。

 

最初は下手でもかまわないので、どんどんささっと描いてみましょう。ささっと描くので下手でも当然、という姿勢でいいのです。慣れてくると、これが不思議と洗練されてきます。描き慣れてくると、メモをとったり、図解化したりする作業も楽しくなります。ぱっと見ただけで直感的に理解できるメモが書けるようになるのです。

 

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