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現代人の健康を害するストレスとは

KNOW-HOW

モーツァルト療法には、ストレス解消の効果もあります。そこで今回は、具体的にストレスとはどのようなものなのかについて学習します。

 

日常に潜む数々のストレス

 

 

 

現代社会は、毎日が目まぐるしい早さで変化しています。 そんな社会に暮らす現代人は、職場や学校、あるいは家庭内の不快な人間関係に起因する嫌な感情が増大しています。 一方で、通勤や通学の際に遭遇する、過密という異常なまでの環境が、健康を支える生体機能に悪影響を与えています。

 

一般的に、環境の変化や不快な人間関係など、心や体にいらだちや不安、あるいは緊張や動悸などのさまざまなゆがみを引き起こす外的・内的な刺激を「ストレス要因」と称し、これによって生じる心と体の緊張状態あるい は心身の状態が、「ストレス」になります。 このストレスは、今日、医学的には6つに分類されています。それらは、病気やケガ、睡眠不足などの「身体的ストレス」、制約や強制に対する精神的な負担や将来に対する不安、また挫折感や恐怖感などの「精神的ストレス」、仕事や残業、接待などによる「社会的ストレス」、他人とのつきあいやトラブルなどの「人間関係のストレス」、気圧や温度などの「物理的ストレス」、そして騒音や汚染などの「環境的ストレス」です。

 

このようなストレスは、人間の五感や体内の受容器を通して、つねに脳神経系に入ってきます。 たとえば、朝、自宅を出勤するとき、気温が低下して寒いと感じたとします。また、睡眠不足で昨日の疲労が残っていたとします。さらに朝食を食べる時間がなく空腹を強いられていたとします。これらの寒さや疲労感、空腹という状況は、最初に遭遇する強いストレス源になります。また、職場に通勤する過程で満員電車の過密な状況の中に身をおくことも、不快な他人との接触とか騒音によって強いストレスが発生しています。

 

ストレスとうまく付き合おう

 

一方で、ストレスというと、すべて心身にとって悪いものと考えがちですが、実は不快なものばかりではありません。運動をした後の心地よい満足感、あるいは困難な仕事を成し遂げた後に感じる達成感は、疲労感よりも大きなものです。また、仕事に締め切りがあり、それに追われると、逆に集中力が高まることがあります。したがって、人によって、ストレスは不快にもなれば、快感にもなりうるわけです。言い換えれば、その人の気質や性格、体質などによ って、ストレスによって起こる感情は異なります。つまり、もし疲労感や不快感しか残らないようであれば、それはもう不快なストレスになっているといえるでしょう。

 

そして、この不快なストレスを継続的に感じていると、健康を維持する生体機能に故障が起きてくるのです。しかし最近、この不快なストレスに気づかない人が多くなっているのも事実です。「最近、笑顔が減ったね」とか 「つきあいがわるくなったね」と周囲の方から言われて、はじめて自身の変化に気づくというケースが、それに該当します。ストレスを感じると、からだは、頭痛やめまいなどの症状を引き起こしたり、虚無感を増大させたりします。 しかし、不快なストレスに気がつかない状況もあり、これが大きな問題になっています。 いずれにしても、現代社会にはさまざまなストレスがあるので、これらとうまくつきあうことが、健康維持にとってとても大切なのです。

 

 

ストレスから逃げられなくなった現代社会

 

 

 

この不快なストレスを上手く回避させるためには、現代人がどんな種類のストレスをどの程度受けているのかを自覚することが重要です。したがって、周囲の人のことばに耳を傾けたり、自身で日々の生活の状況をチェックしたりすることも、健康維持には必要になります。

 

特に、生活習慣の見直しは一番大切となります。なぜなら、長期に及ぶ不規則な生活は、強いストレスを生み出すからです。 電気のなかった江戸時代の人間は、日の出とともに活動し、日が沈み、ある時間が経過すると眠るという生活スタイルを送ってきました。彼らは、適度に働き、適度に休息するというペースで健康を維持してきたのです。こうした生活の中では、昼間作用する交感神経と夜間作用する副交感神経とが、バランスよく働いていたと考えられます。しかし、今日の現代社会では、生きものとしての人間が本来有する生体リズムがほとんど無視されているために、自律神経のバランスは大きく崩れてしまっています。昼夜逆転の生活や暴飲暴食、あるいは徹夜や深夜までの仕事などは、自律神経のリズムを大きく狂わせているのです。忙しい現代人はだれでもストレスを感じています。とりわけ、今日のような経済状態の悪化する中では、会社の倒産や解雇という不安、競争が激化する中での「落ちこぼれにならないようにがんばる」という過度な危機感などは、注意すべきストレスになっています。とくに、責任感が強い人、きまじめな人、中途半端なことを嫌う人などは、精神的に負担がより増加してくるので、注意が必要です。

 

 

ストレスが体に悪影響を及ぼす

 

さて、強度なストレスが日々持続して蓄積してくると、人間にはさまざまな症状が出現します。 まず、目が疲れやすくなったり目の涙腺の機能が低下して目が乾燥してきます。第二に、頭痛や頭が重く感じられる症状です。これは交感神経優位で血行が悪くなったために生じています。第三に、耳鳴りや耳の閉塞感があります。また第四に、口が渇いたり味覚の異常があります。第五に、のどに異物感や圧迫感があります。さらに、第六に、動悸や息切れがあります。第七には、便秘や下痢、あるいは腹部の膨満感など消化器での症状が発生します。こうした体の不調を感じたときは、自分が相当強いストレスを感じて生活していると認識し、生活習慣を見直し、ストレスを排除することが大切なのです。 

 

 

まとめ

  • ストレスには様々な要因によるものがある

 

  • ストレスを解消するための第一歩は、生活習慣の見直し

 

 

 

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