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スケジュール欄は予定と記録を両立させる

KNOW-HOW

予定は時間軸の目盛りに沿って書き込む

 

基本となるスケジュール欄には、時間軸目盛りがあらかじめ印刷されているものが便利です(週間か1日1ページの場合)。予定が入った時にその時間の目盛りに合わせて書き込めば、いちいち時間を書き込む必要はありません(半端な時間や絶対守らなければならない時間は、書き込んだ方が安全です)。また、ぱっと開いた時に、空いている時間帯もすぐにわかります。

 

最近は、横方向に日付、縦方向に時間軸を配置したバーティカル(垂直)式が人気を集めています。これはウェブ上のスケジュール管理サービスの多くでも採用されているデザインで、予定の入っている時間帯を、より視覚的に把握しやすい、という特徴があります。

 

スケジュール管理を行ううえで絶対に守らなければいけないのは、基本となるスケジュール欄にすべての予定を書き込み、新たに予定を入れる時は必ず同じスケジュール欄で確認する、ということです。たとえば気まぐれにサブの月間(年間)予定表にメモして、あとでメインの週間予定表に転記するというような使い方は、ダブルブッキングの原因となるので絶対にしてはいけません。

 

予定の開始時間と同時に終了時間も意識する

予定は、会議や顧客との面談、打ち合わせなど、他人と関わるものが中心となります。この予定を書き込む時に注意したいのは、終了時間を意識することです。たいていの場合、開始時間はしっかりと把握されていますが、終了時間はあまり意識されることが少ないものです。だいたい1時間くらいだろう、2時間くらいだろうというようにとらえ、現場では成り行きまかせになってしまうのではないでしょうか。

 

主体的にスケジュールを管理するなら、開始時間と同時に線と矢印などで終了時間までを書き込み、枠としてその時間を確保するように考えます。そうすれば、続いて予定を入れる時にも、前の予定にどれくらい時間がかかりそうなのかをいちいち考える必要はなくなります。さらに、終わり時間を意識することで、ムダのない濃密な時間を過ごせるという副次効果もあります。もし、予定より早く終了すれば、空いた隙間時間を活用しようという意識も生まれてきます。

 

時間に余裕を持たせてスケジューリングする

このように1日(週間予定表であれば1週間も)のスケジュールを視覚的にとらえていくことで、スケジュール管理に時間の余裕をどう持たせるか、という発想も生まれてきます。スケジュールはギッシリ埋めてしまうと、必ずどこかに問題が起こります。ビジネスの現場では、いつ何が起こるかわからないからです。あまりに余裕のないスケジュールだと、突発的な出来事に対応できません。結果的に全体がガタガタになってしまいかねないのです。

 

そのためには、時間に余裕のあるスケジュール、どうにでも使える時間帯を確保します。外出先の移動なら30分、社内の業務なら1時間程度の余裕を仮に組んでみましょう。もし時間が余れば、それは隙間時間です。緊急性のない仕事を進めたり、企画を考えたりする時間にあてるなどして、有効に使えます。

 

仮の予定についても、もし変更・キャンセルになった場合は同様に扱えます。仮予定もしっかりスケジュール欄に書き込むべきですが、あとで二重線や×印で消すのに抵抗のある人は、シャープペンなどで書いたり、付箋紙に書いて貼ったりするという手もあります。しかし、変更・キャンセルの記録もあとで重要になってくるかもしれません。

 

また、あらかじめ自分でノー残業デーを決めて、スケジュール欄に確保しておくのもいいでしょう。ついだらだらと残業することが多いなら、ノー残業デーを書き込むことで、何としても残業しないような仕事のやり方をするようになります。

 

スケジュール欄の予定は、当日の朝に確認することはもちろんですが、前夜に開いてひととおり流れを追っておくと、より余裕を持って行動することができるようになるでしょう。

 

 

たったひとことのキーワードがその時の記憶を呼び戻す

スケジュール欄に余裕があれば、その予定が実際に実行されてどうだったかという結果も合わせて記録しておくと、あとになって非常に役立つことがあります。

 

たとえば、取引先A社Bさんとの打ち合わせを終えて、会社に戻る電車の中で「予算厳しい→不況の波」「釣り」と記入。他人が見ても何のことだかわかりませんが、本人があとで見返すと「ああ、あの時は、いつもは鷹揚なAさんがめずらしく予算がきついと言っていたな、不況とはあまり関係ない業種だと思っていたけど、じわじわ影響を受けているんだな」とか「雑談をしていたら思いがけず二人とも釣りが趣味だとわかって、それまで沈んでいた会話が盛り上がったな」などということを思い出せるわけです。

 

これが単に、「10:00 A社(B氏)」と予定が書かれているだけだと、ほかの予定に埋もれてしまって、なかなか会話の細部まで思い出すことはできないでしょう。もし営業日報のような記録があったとしても、「釣り」の話までは書けません。

 

また、その日に起こった重大ニュースや身の回りの出来事をキーワードにして、書き付けるのもいいでしょう。たったひとこと書いておくだけで、その日の記憶がまざまざと思い起こせます。これは、あとからインターネットで○月×日のニュースを検索するのとはまったく違う意味があります。自分の行動予定が書かれた同じページに、その日の筆跡で書かれている言葉は、記憶を引き出す強力なインデックスになるのです。

 

このように、スケジュール欄の予定を予定のままで終わらせるのではなく、起こったこと、感じたことをひとこと付け加えるだけで、より意味のある記録となるわけです。

 

ノート(メモ)欄があれば細かく記録する

左ページに週間予定表、右ページにノート(メモ)が配置された手帳なら、予定と記録のそれぞれにスペースを割り当てることができます。スペースに余裕があれば、キーワードだけでなく、文章にして書き込むこともできます。

 

文章になると、より細かくその時の状況や思いを記録できることになります。そうなると日記に近いものになってきますが、そうしたスタイルも十分にあり得るでしょう。なかには日記帳は続かないけれど、手帳に書く日記なら続けられるという人もいます。

 

それは、予定とセットになっていること、また、一日に何回もページを開くこと、などが大きな理由でしょう。日記帳だと空白ページが続くと心理的に敷居が高くなったりしますが、手帳ならば何らかの予定は日々書き込まれているわけです。

 

また、「結果を記録してこそ、予定が生きてくる」ということもあります。起こる前に書かれたことがどうなったのか、それは頭の中にだけ残しておくとやがて消え去ってしまうのです。

 

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