各界の一言居士のみなさんに、日本を、企業を、そして我々ビジネスマンを“よく”するために、
“最近アタマにきていること”を、リレーで綴っていただくコーナーです。
◇第7回のゲストは“楽天”の 三木谷浩史氏

(みきたに ひろし)
楽天株式会社 http://www.rakuten.co.jp/
代表取締役会長兼社長
1965年3月兵庫県生まれ。1988年一橋大学商学部卒業後、株式会社日本興業銀行入行。1993年米国ハーバード・ビジネス・スクールMBA取得。帰国後、本店・企業金融開発部にてメディア関連のM&Aを担当する。1995年興銀を退職。株式会社クリムゾングループを設立、同代表取締役社長に就任。1997年株式会社エム・ディー・エム(現:楽天株式会社)設立、同社代表取締役社長に就任。2001年2月同社代表取締役会長を兼務。同年株式会社インフォシーク 代表取締役社長に就任(現:代表取締役会長)。現在、2003年3月時点で約10,500社の企業が契約する、日本最大のインターネットモールを運営。ショッピングやトラベル予約、ビジネスサービスのマーケットプレイスとして拡大を続けている。さらに、総合ポータルサイトの潟Cンフォシークやライコスジャパン鰍ネどを含む楽天グループを形成し、多角的なサービス提供を行っている。
日本はまだ鎖国状態と言ってもよい。
 今の国内状況を見るに、トヨタや日産、松下、ソニーなど国際競争に晒されているメーカーサイドには大変な勢いがあるが、その一方で、日本の金融機関が足をひっぱっているといえる。一部には「金融機関のトップには外国人はダメだ」という風潮があるようだが、それでは話にならない。国籍や年齢など関係なく、カルロス・ゴーンのような有能な経営者を、もっとひっぱってくればいいと思うのだが…。言わば、日本はまだ鎖国状態の島国。本当の意味での経済・労働市場の開放することで、グロバライゼーションを促進するべきだ。

 島国根性だけではない。この国の最大の問題は、世代間抗争だと言える。今、必要なのは、経営層の世代交代を一気に実現して若返りをはかること。もっと、単刀直入に言うと「おじさん、退場!」ということだ。

 海外を見てみれば、シティバンクのジョン・リード氏がCEOになったのは44歳。それに比べて、日本は、日銀総裁の人事をはじめ、金融機関のトップしかり政治家しかり、今、65歳、70歳の人たちが顔を連らねている。景気・経済が低迷し、新しい策が必要な今、当時のトップたちがそのまま残っているというのも問題で、そういう人たちにはアドバイザーにまわっていただいて現場の若返りを促進するべきである。

 韓国と比べても日本は明らかに遅れている。韓国は、北朝鮮問題を抱え、徴兵制もあるし、テクノロジー面、市場規模の面など競争原理からすれば、日本に比べて不利な状況である。それにも関わらず、経営者の若返りをはかることですごいエネルギーを持っている。日本の経営陣は、もはや既得権益にしがみついている場合ではないのではないか。

 要するに、今の日本は、島国根性を捨て世代間抗争を乗り切り、世代交代することが不可欠。
日本の上位企業100社のトップを40代に総入れ替えしたら、それだけで開放が進むのではないかと思う。若者達もごちゃごちゃ文句ばかり言わないで、もっと果敢にチャレンジするべきだ。私としては、日本国の改革を推進した海援隊のような会社をつくり、事業で成功事例を示すことによって若い世代にメッセージを伝えていくしかないと考えている。その意味では、私やローソンの新浪剛氏をはじめ、若手経営者の担っていく役割は大きいと思っている。


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