福本 伸夫 氏
ソニーマーケティング(株)
人事部研修責任者 兼 ソニーシックスシグマトレーナー 

1957年3月生まれ
熊本県熊本市出身
中小企業診断士
趣味は音楽 アマチュアオーケストラで金管楽器及び指揮者
企業でなぜ研修をやるのか? この問いにまともに答えるのはとても難しいように思います。
今、成果主義といわれて、各企業人に求められているのは、プロ化した社員であり、企業にぶら下がるのではなく貢献することだと言われています。だとすると、社員は自己責任で自らお金を払って自己研鑽をし、その結果アウトプットを会社で出すのが筋で、そもそも企業が研修を用意すること自体を疑問視する声も聞かれます。
一例を挙げると、新入社員研修でほぼ必須として行う「ビジネスマナー」などは、本来なら躾として事前にちゃんと備えて入社すべきものです。ところが、あとあと顧客に迷惑がおきないようにということでやむなく実施している、これは何だろう・・・とよく考え込みます。

そもそも企業で行う研修ってなんだろう・・・毎日毎日自分自身に問いかけるのですが、今の私の考えは、「気付きをもたらすもの・内発動機を行動に移すようになるもの」です。
そして、研修を実施する側の基本軸は、「受講者から貴重な時間をお預かりして、その人の今後の仕事人生を変えるくらいのインパクトをもつ」ものでなくてはならないと考えます。
要は、その研修後の行動が変わらないと意味がないということです。

また、研修のメニューにもいろいろありますが、企画を立てカリキュラムをつくるときには、「家でも学校でも読書でもOJTでも身につけることが出来ないもの」に限定していきたいというのがホンネです。
今注目しているのは、仕事の段取りのとりかた(プロセス構築力)と、元気を引き出す会話(コーチング)です。実は、日本の学校教育ではこの2つは教えてくれません。さらに、「自分の能力(脳力)をうまく引き出すための具体的な道具の使い方」も知らないまま、時間をかけて模索しながら仕事をしているのが現状と思います。
それらは決して高等技術でもなく難しくもなく、ごくシンプルで誰でも出来るものなのになぜか今までまともに取り組んでいないのだと思います。

感動のない研修は、「説明会」であっても「研修」ではないと思います。「感動」とは、「感銘を受け、行動に移す」さらに行動が習慣化することです。感銘を受け「いい話だった」ではどう行動にしていいかわからないまま消えるので、それを行動に移すための「プロセス」と「使う道具」までセットにしてはじめて、一つの効果が生まれると信じます。


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