山下 勉氏
キリンビール株式会社
営業本部 営業開発部
スキル向上担当 主査

1965年生まれ
神奈川県 横浜市 出身

PHP認定上級ビジネスコーチ
米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー
ワインアドバイザー((社)日本ソムリエ協会認定)
焼酎アドバイザー(SSI認定)
?酒師(SSI認定)

趣味:最近は学ぶことを楽しいと感じるようになっています

「「優秀なリーダーは、コミュニケーション力が高い」
リーダーが、日常の上位リーダーやメンバーとの意思疎通においても、また会社、部門、チームなど組織の向かう方向性を明確にし共有する場面においても、もちろん会議の場面でも、コミュニケーション力の重要性に異を唱える人はいないでしょう。

このコラムを読んでいるあなたは、1日の仕事のうち、どのくらいの時間をコミュニケーションに使っているでしょうか?少ない人でも4割、多い人だと7割以上ともいわれているそうですが、そのコミュニケーションについてきちんと勉強をしている人は実は5%にも満たない、という話をきいたことがあります。つまり、大半のビジネスパーソンのコミュニケーションは、個人の資質や過去からのやり方に依存しているということになります。

私たちの業界においても、市場が大きく変化し、今までのやり方が通用しなくなっている現在、より成果を生み出すチームを作るためには、リーダーのコミュニケーション力の強化は必要不可欠です。
例えば、急速に市場環境が変化する中で、営業現場でどのようなことが起こっているのか、リーダーがすべてを把握することは難しくなっています。
その中で、いち早く現場の変化を認識し最適なやり方を見出すためにも、日頃からメンバーとのコミュニケーションを通じた良好な人間関係が前提になければなりません。場合によっては、メンバーから教えてもらうという姿勢も大切なことではないでしょうか。

そういった変化の時代にあって、成果を生み出すリーダーは「メンバーを勝たせるリーダー」であると私は考えています。

我々は、その成長過程で、スポーツや受験などを通して「勝ち負け」を学習します。これは、一人の人間として自立していくために必要なステージでもあります。しかし、「勝ち負け」のステージでは、勝つために負ける人が必要です。たとえば、大切な情報を独り占めしたくなったり、同期が自分より早く昇格したときに自分が負けているような気持ちになったりするとき、人は「勝ち負けで生きている」といえます。私は、以前は典型的な「勝ち負け型」の人生を生きていました。もしも、このコラムを読みながら、あなたが自分自身と私を比較してどちらが能力が上なのかといった類のことを考えていたとしたら、まさに「勝ち負け」で生きているといえるでしょう。そして、「勝ち負け」に生きる人たちに共通の言葉は「負けるもんか!」です。何に勝ちたいのかはよくわからないけれども、とにかく負けたくないのです。振り返ると、私も昔は無数の「負けるもんか!」を心の中で繰り返して生きていました。このように、ビジネスパーソンの中には、程度の差はあるかもしれませんが、この「勝ち負け」のステージで生きている人が多いのではないでしょうか。

しかし、チーム組織内においては、「共に勝つ」ことを目指すほうが有効です。「相手を勝たせることで自分も勝つ」ということが大切になるのです。
例えば、リーダーひとりが勝っているチームと、メンバー全員が勝っているチームでは、どちらがより成果を生み出すでしょうか。それは後者だと思いますし、メンバー全員が勝っている、言い換えればメンバー全員を“勝たせている”リーダーの率いるチームは、間違いなく成果を上げている、いわば“勝っている”チームです。そして、そのチームのリーダーは、まさに“勝っている”リーダーというわけです。

それでは、メンバーを勝たせるリーダーへの第一歩はどのように踏み出すのでしょうか。
まずは、リーダー自身が自分の良いところを素直に受け入れることだと思います。それは、自分には高い価値があるのだと、自分にオーケーを出すということでもあります。
私の経験から申し上げると、日本のビジネスパーソンは自分の良いところと悪いところを挙げる際、悪いところをたくさん挙げる傾向が高いように思います。しかし、自分の悪いところに目がいく人は、どうしても他人についても悪いところに目がいきがちになります。それでは、相手との良好な人間関係を築くことはできません。
相手の良いところをたくさん見い出すためにも、自分の良いところを見い出すことができる視点が不可欠です。

私が社内講師を務める「リーダー研修」においても、必ずそのことを伝えるようにしていますし、そういった視点を養うためのワークを取り入れたりしています。また、研修修了後には、自分の新たな一面を発見することができたという評価をいただいたりもしています。



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